古いエアコンを取り外す場合、どのように対応すれば良いのでしょうか。自分で取り外し方を覚えれば、業者に依頼する費用を抑えることができます。
ただエアコンの取り外しを行うためには、手順を把握しておくことが大切です。
今回はエアコンの取り外しの方法や前準備、自分で対応する際の注意点を解説していくので参考にしてみてください。
目次
エアコンの取り外しを行う際の前準備は何をしておく必要がある?
エアコンを取り外すためには、事前に準56ておきたいことがいくつかあります。どのような準備が必要になるのか、詳しい内容を解説していきましょう。
エアコンの取り外しに必要な道具をそろえる
エアコンを自分で取り外すためには、道具をしっかりそろえる必要があります。道具がないと、取り外しを中断しないといけない事態に発展するので、前もって必要なものは準備しておきましょう。
エアコンの取り外しに必要な道具として下記の通りです。
・プラス/マイナスドライバー
・ペンチ
・モンキーレンチ
・カッターナイフ
・六角レンチ
他にも、状況によって必要な物をそろえておき、エアコンを取り外す時に手間取ることがないようにしておきましょう。
紹介した道具については、主にホームセンターで購入できるため、事前に準備しておいてください。
エアコン室内機の下には養生マットを敷いておく
エアコンを取り外す作業に入る前に、エアコン室内機の下には前もって養生マットを敷いておきましょう。
養生マットは万が一、工具を落としてしまってもフローリングの床を傷つけないので安心して作業に取り組めます。
またエアコンに付着したホコリなどが落ちたとしても、養生マットがあれば受け止めてくれるでしょう。
エアコンの構造を事前に理解してから取り外しを行おう
エアコンの取り外しを行う前に、エアコンの構造を把握しておき、安全に取り外す方法を理解しておく必要があります。
エアコンの構造を理解する上で、重要な電気・排水ドレン・冷媒ガスの配線・配管について紹介していきましょう。
エアコンには室内機と室外機を繋ぐ電力配線がある
エアコンには、稼働するために必要な電力配線があります。コンセントから室内機、室外機と電力が行き渡り、エアコンを動かすことができる構造設計になっているのが特徴です。
室内機と室外機を繋ぐ電力配線もあるので、事前にコンセントを抜いて電力供給を止めてからではないと、配線を切断した時に感電してしまう恐れがあります。
事前に電力配線はどのような構造になっているのか、把握した上で取り外しを行っていきましょう。
エアコンに溜まった水を排出するドレンホース
エアコンの室内機には、溜まった水を外に排出する「ドレンホース」というものがあります。ドレンホースは水を外に排出するために必要なホースです。
エアコンを取り外す際に、先にドレンホースを切断してしまうと、室内機に溜まって水が排出できなくなる可能性があります。
前もって室内機に溜まった水を排出してから、ドレンホースを切断するなど、取り外しの工程は間違えないように注意しましょう。
冷媒ガスを循環させるために必要な銅管
エアコンには冷房や暖房の効きを良くするために、冷媒ガスが循環しています。冷媒ガスは銅管を通して、室内機と室外機の中を循環するような構造になっているのが特徴です。
この銅管はエアコンを取り外す際に撤去する必要がありますが、中に冷媒ガスが入っている状態で切断してしまうと、冷媒ガスが噴出して事故に繋がる恐れがあります。
事前に冷媒ガスを回収してから銅管を撤去するなど、エアコンの構造についてしっかり把握しておきましょう。
エアコンの取り外し前にやっておきたい動作チェック
エアコンの取り外しを始める前に、事前にエアコンの動作チェックをやっておきましょう。動作チェックをしておかないと、機器の故障に繋がります。
どのような動作チェックが必要なのか、詳しい内容を紹介していきましょう。
事前に冷房運転で動作チェック
エアコンの取り外しを行う前に、正しく動くのか冷房運転で動作チェックしましょう。冷房運転を実施して、室内機室外機共に動いていれば問題ありません。
この時に室外機が作動していないと、基盤など電装系に異常が発生している可能性などが考えられます。その場合は、専門業者に相談して異常の原因を探ってもらうことが大切です。
状況によっては強制冷房運転を実施する
季節によっては、通常運転の冷房では効きが確認できないことがあります。そんな時のために、「強制冷房運転」に方法を理解しておくことが大切です。
エアコンのメーカーによっても強制冷房運転のボタンは場所が異なります。ただ一般的には、室内機のカバーを取り外した時に、右側にボタンが配置されていることが多いでしょう。
強制冷房運転はボタンを5秒から10秒押し続けると、音が鳴って知らせてくれます。通常の冷房で運転できているのか確認しづらい時には、強制冷房運転で動作チェックしましょう。
動作チェックで確認するポイント
冷房運転でエアコンの動作チェックをする際、どこを確認すれば良いのでしょうか。基本的には、室外機のファンが正しく回っているのか、冷風が出ているのか確認する必要があります。
もしどちらか一方の動作が確認できない場合は、故障している可能性があるので、しっかりチェックしておきましょう。
エアコンの取り外しで大切な「ポンプダウン」は忘れずに
エアコンを取り外す際には、ポンプダウンを行い、安全に撤去する必要があります。ポンプダウンとは、どのような対応を行うのか詳しい内容を解説していきましょう。
冷房運転が確認できたら室外機のカバーを外す
先ほど解説した冷房運転で動作チェックした後に、問題なければ室外機のカバーを外していきます。
室外機のカバーの取り外しには、ドライバーが必要になるので、対応しているドライバーを用意しておきましょう。
ドライバーで室外機のカバーに取り付けてあるネジを外してください。この時に、外したネジは失くさないように保管しておく必要があります。
冷媒ガスを室外機に移動させる
エアコンの取り外しを行う際には、冷媒ガスで事故が発生しないように細心の注意を払う必要があります。そのためにも、銅管の種類などを把握しておくことが大切です。
エアコンの銅管には、細い銅管(2分管)と太い銅管(3分管)があります。この2つの銅管を見極めて、冷媒ガスを室外機に移動させることが重要です。
冷媒ガスを室外機に移動させる作業を「ポンプダウン」と呼び、エアコンを取り外す際には必要な対応になります。
2分管と3分管に付いているバルブキャップを外す必要があるのですが、それにはモンキーレンチを使用しましょう。
次に室内機に冷媒ガスが循環してこないように、2分管のバルブを六角レンチで時計回りに回して閉じていきます。
1分程度経てば、冷媒ガスが室外機に溜まっていくので、3分管のバルブも時計回りに閉めていきましょう。
冷媒ガスが室外機に移動したか確認する
バルブを閉めた後は、室外機に冷媒ガスが移動したか確認する必要があります。確認方法としては、サービスポートと呼ばれる細い棒があるので、そこからシューと音がした後に、音が聞こえなくなれば冷媒ガスの移動は完了です。
正しく冷媒ガスが回収されていないと、サービスポートから冷媒ガスが噴き出してしまう恐れがあります。
冷媒ガスを移動させた後は運転を停止させる
室外機に冷媒ガスを移動させた後は、エアコンの運転を停止させる必要があります。バルブを閉めた状態でエアコンを稼働させていると、故障の原因になる恐れがあるでしょう。
運転を停止させた後は、エアコンのルーバーが閉まってから安全を確認した上でコンセントを抜いてください。
ルーバーと呼ばれる風の向きを調節する部位が動いている途中にコンセントを抜くと、中途半端に動作している途中で電源を止めることになるので、故障の原因になります。
動作が完全に止まったと確認してから、コンセントを抜きましょう。
エアコンの銅管と配線の取り外しを慎重に行っていく
冷媒ガスを移動させるポンプダウンが完了した後は、エアコンの銅管と配線の取り外しを行っていきましょう。
銅管と配線の取り外しは慎重に対応する必要があるので、手順や方法を事前に把握した上で作業を行う必要があります。
具体的に、銅管と配線はどのように取り外していくのか詳しい内容を紹介していきましょう。
銅管を慎重に取り外していく
銅管である2分管と3分管のフレアナットを外していき、慎重に取り外しを行う必要があります。フレアナットの取り外しは、モンキーレンチを2本使用した対応しましょう。
モンキーレンチの1本はサービスバルブと呼ばれる場所に固定し、1本はフレアナットを反時計回りに回すようにしていきます。
この時にサービスバルブを固定する理由は、冷媒ガスが漏れてしまわないようにするためです。
室内機の配線を取り外していく
事前にコンセントを抜いていることを確認した上で、室内機の配線を取り外していきます。この時にコンセントを抜いていないと、感電の恐れがあるので注意しましょう。
また万が一漏電してしまうと、エアコンが故障してしまうので配線類を撤去する際には慎重に対応してください。
配線を取り外す際には、プラス/マイナスドライバーを使用していきます。配線を固定しているネジを取り外す時にはプラスドライバーを使用していきましょう。
マイナスドライバーは、室外機の端子台にあるパーツを押す際に使用します。パーツを押しながら配線を引くことで、綺麗に取り外すことができるでしょう。
配線を撤去できたら、プラスドライバーで外したネジを取り付けて元に戻します。
エアコンの室内機を落とさないように安全に取り外していく
エアコンの室内機を取り外していく時の手順ややり方を解説していきます。事前に養生マットなどを敷いておき、床を傷つけないように工夫しておきましょう。
具体的なやり方を解説していくので、参考にしてみてください。
ドレンホースの接続部を切る
室内機に溜まっている水を排出するためのドレンホースですが、室内機を取り外す際には事前に接続部を切断する必要があります。
ドレンホースにはつなぎ目が存在しており、ビニールテープなどで巻き付けられているのが確認できるでしょう。巻き付けられている部分をカッターで切っていけば、自然とつなぎ目が確認できます。
この時に注意しておきたいのが、室内機側のドレンホースを切ってしまうと、そのドレンホースを使用できなくなってしまう恐れがあるのです。
つなぎ目だけを切るように、巻き付けてあるビニールテープをカッターで切断する時には慎重に対応しましょう。
室外機側の銅管を切る
銅管には室内機側と室外機側の2つが用意されています。この時に室外機側の銅管を切断するようにしましょう。
ただ取り外すエアコンを今後使用しないのであれば、どこの銅管を切断しても問題ありません。何か使用する目的があれば、室内機の銅管は傷つけないように切断していきましょう。
室内機を慎重に取り外していく
メーカーによって細かい取り外し方は異なりますが、左右を上に押し上げることで簡単に取り外すことができます。
ただ力を入れすぎると、室内機が落下する事態に陥ってしまうので、慎重に取り外していくことが肝心です。
室内機は高い場所にあり、意外と重いので力が入りやすい体勢で持ち上げるようにしましょう。脚立などを利用すれば、楽な体勢で持ち上げられます。
室内機の背板を取り外していく
室内機を取り外した後は、背板が出てくるので取り外していきましょう。背板はビスで固定されているので、ビスを撤去すれば簡単に取り外すことができます。
固定はビスだけで行われていることが多いので、ビスを撤去した際に背板を支えていないと落下してしまう恐れがあるでしょう。
ビスを外す前に、背板をしっかり押さえてからビスを撤去してください。
配管やドレンホースで出来た穴を塞ぐ
エアコンを取り付ける際には、室内機と室外機を繋げる配管やドレンホースの通り道として、壁に穴を開けます。エアコンを取り外した後は、壁に穴が開いた状態なので穴を埋める作業が必要になるでしょう。
穴を埋めるためには、粘土状のパテや穴埋め用キャップなどが有効なので、やりやすい方法で対応してください。
エアコンを自分で取り外す際の注意点を把握しておこう
基本的にはエアコンの取り外しは、業者に任せるのが良いでしょう。エアコンの取り外しには、専門的な知識や技術が必要になるため、自分では対応が難しいと感じた時には速やかに業者に依頼してください。
自分で取り外す際には、いくつか注意点があるので事前に把握しておきましょう。
取り外したエアコンの撤去方法
エアコンを取り外した後に、どこに持っていき処分するのか事前に決めておく必要があります。また撤去する際には、持ち運ぶ時の経路も考えて置くことが大切です。
狭い場所では、エアコンが通らない可能性があります。持ち運びが困難な場所もあるので、どのように持ち運ぶのか事前に経路は確認しておきましょう。
工具を一からそろえるなら業者に依頼した方が良い
エアコンを取り外すためには、いくつか工具が必要になります。事前に用意している家庭なら問題ありませんが、一からそろえるなら購入費用もかかるでしょう。
購入するための手間もかかるので、工具を持っていないなら業者に依頼した方が楽なケースが多いです。
特にエアコンの取り外しだけなら、費用は5千円~2万円程度で済むことがあります。意外と取り外し費用も安いので、無理に自分で対応せず業者に相談して対応してもらいましょう。
冷媒ガスの取り扱いには十分注意が必要
自分でエアコンを取り外す場合、十分注意しないといけないのは冷媒ガスの扱いについてです。冷媒ガスが漏れてしまうと、凍傷のリスクがあります。
万が一、目に入ってしまった時には、水で洗い流すなどの対応も必要になるでしょう。
エアコンの取り外しは無理せず素直に業者に任せよう(まとめ)
エアコンを自分で取り外す場合、工具を事前に用意する必要があります。また専門知識や技術も求められるため、自分で対応するのは難しいでしょう。
対応を間違えてしまうと、エアコンの故障や冷媒ガスによる被害が発生してしまうリスクもあります。
基本的には業者にエアコンの取り外しは任せて、安全に撤去するのがおすすめです。