エアコンを購入する場合、室内機と室外機をセットで購入するケースが多いでしょう。室内機はリモコンで操作することもあり、冷風や温風を送り出してくれる機器と認識している方は多いです。
しかし室外機は普段は目にする機会も少ないため、どのような役割があるのか理解していない方もいるでしょう。
今回は室外機の役割や掃除の仕方など、詳しい内容を紹介していくので参考にしてみてください。
目次
エアコンの室外機はどのような仕組みで稼働しているのか?
基本的にエアコンは、室内機と室外機はセットで稼働しています。ただどのように仕組みで稼働しているのか、知らない方も多いでしょう。
エアコンが稼働する仕組みについて解説していくので、参考にしてみてください。
室内機と室外機は冷媒ガスが循環している
エアコンの仕組みとしては、室内機と室外機は配管で繋がっていて、配管の中には冷媒ガスが通っています。冷媒ガスの力によって、空気は冷やされ室内機から冷風が排出されるのが特徴です。
この時、室外機の役割としては空気の排熱を行い、室内の空気を適温に保つ働きを担っています。暖房では、冷たい空気を外に排出する役割を室外機が担っているのです。
室外機から水や湯気が出るのはなぜ?
冷房や暖房を利用すると、室外機から水や湯気が出ることがあります。これは正しくエアコンが作動している証拠なので、心配する必要はありません。
例えば冷房をかけた時に水が出るのは、冷媒ガスによって冷やされた空気と外気の温度差が生じた際に発生する結露を排出しているためです。
暖房の場合は室外機が冷たくなりすぎないように、温める機能が搭載されているため、冷たい外気との温度差で湯気が出るようになっています。
エアコンの効きが悪い時は室外機の周りをチェックしよう
最近、エアコンの効きが悪くなったと感じる時は、室外機の周囲をチェックしてみてください。何らかの原因で、エアコンの動作を邪魔している可能性があります。
どのような時にエアコンの効きが悪くなるのか、詳しい内容を紹介していきましょう。
室外機の周囲に物を置いている
冷房をかける時、室外機の周囲に物が置いてあると熱がうまく排出できず、冷房の効率が下がってしまう可能性があります。冷房の効きが悪いと感じる時には、室外機の周囲を確認して熱の排出を妨げている物がないか確認してみましょう。
特に洗濯物がかかっていたり植木鉢がかかっていたりすることがあるので、よくチェックしてください。
室外機の周囲は一定のスペースを確保する必要がある
エアコンのメーカーによって細かい仕様は異なりますが、室外機の周囲は一定のスペースを確保する必要があります。一定のスペースがない場合、熱の排出がうまくいかず、周囲の温度が上昇し、空気の循環が悪くなってしまうのです。
室外機の周囲は、どれくらいのスペースを確保しないといけないのか、取り扱い説明書などに記載されているので、事前に確認しておきましょう。
日光が当たって室外機の温度が上昇している
エアコンの室外機は屋外に設置されているため、日光にさらされている状況が続きます。そのため日光によって温度が上昇し、空気を冷やすためのエネルギー効率が悪くなってしまうケースがあるのです。
できるだけ直射日光が室外機に当たらないように、室外機に影を作る必要があります。メーカーによっては、室外機用の日よけが販売されているケースもあるので、一度確認してみましょう。
室外機が汚れていると稼働効率が悪くなる
エアコンの室外機が汚れてしまっていると、稼働効率が下がってしまい、エアコンの効きが悪くなったり電気代が高くなったりする傾向にあります。
特に室外機のフィン部分は、定期的に掃除を行わないと汚れが溜まり、エアコンが故障してしまうリスクが高くなるので注意しましょう。
また室外機から異音がする場合は、内部にゴミが溜まっている可能性があるので気を付けてください。
長くエアコンを利用するためにも、室外機の汚れは早めに除去するなど、定期的な清掃が求められます。
エアコンの効きが悪い時は室内機もチェックしよう
室外機の扱いによっては、エアコンの効きが悪くなるケースがあります。ただ状況によっては室内機が関係していることもあるため、室内機の状態についてもチェックしておくことが大切です。
室内機がどのような状況の時に、エアコンの効きが悪くなるのか詳しい内容を紹介していきます。
室内機の設定が正しくない
エアコンの効きが悪いと感じているのは、室内機の設定ミスなど人為的なミスが関係している可能性があります。冷房ではなく暖房をかけていたなど、一度室内機の設定を確認してみてください。
またエアコン自体は冷たい風が通っていても、送風のやり方が悪く、室内が適切な温度になっていない可能性もあります。
状況によってはエアコンだけでなく、室内に風を循環させるサーキュレーターなども併用した方が良いケースもあるでしょう。
室内機のフィルターにホコリが溜まっている
エアコンは室内の空気を吸い込み、冷媒ガスなどで冷たい空気にしてから送風します。そのため空気を吸い込む時に、一緒にホコリも吸い取ってしまうことがあるのです。
そのホコリは徐々に蓄積されていき、フィルターに溜まっていく傾向にあります。フィルターにホコリが溜まっていると、空気の循環が悪くなり、エアコンの効くも悪化してしまうのです。
中には自動掃除機能が搭載されているエアコンもありますが、ホコリが全て除去される訳ではありません。定期的にフィルター掃除を心掛け、室内機を清潔な状態に維持できるようにしていきましょう。
室内自体に日光が当たって部屋の温度が高い
エアコンの稼働は問題なくても、部屋自体に日光が当たって温度が上昇していることが考えられます。部屋の温度が高くなりすぎると、エアコンの機能でも適温に保つことが難しいケースがあるでしょう。
対策としては、窓に耐熱フィルムなどを貼り付ける方法が考えられます。日光が部屋に入らないように遮れば、部屋の温度が上昇する可能性を低減させられるでしょう。
間取りとエアコンの性能がマッチしていない
部屋の間取りが10畳程度に対して、エアコンは8畳用の物を使用していれば、性能がマッチしておらず、十分なエアコンの効きを感じない可能性があります。
現在使用しているエアコンの性能が、部屋の間取りとマッチしていない場合はエアコンの買い替えも検討しておきましょう。
エアコンの室外機はどのように掃除するのか詳しく解説
エアコンの室外機に汚れが溜まっていると、エアコンの効きが悪くなってしまい、電気代も余計にかかってしまう恐れがあります。そのため定期的に掃除を行い、清潔な状態を維持させることが大切です。
エアコンの室外機は、いつどのようにして掃除を行えば良いのか詳しい内容を紹介していきます。
室外機の掃除は年に2回程度
エアコンの室外機を掃除する頻度としては、年に2回程度で問題ありません。また室外機を見て、汚れていると感じたらすぐに掃除をした方が良いでしょう。
またエアコンを使用していない期間があれば、稼働させる前に掃除することも大切です。使っていない間に、汚れが蓄積していて、稼働させる時に故障の原因になる恐れがあります。
室外機の汚れを除去することは、電気代の節約にも繋がるので、余裕があればこまめに掃除することを心掛けてください。
室外機の正面は乾いた雑巾で表面の汚れを取る
室外機の正面を掃除する時は、乾いた雑巾で表面に付着したホコリなどを除去しましょう。室外機はある程度の耐水性を持っていますが、濡れた布などで直接触れてしまうと故障の原因になる可能性があります。
網目状になっている部分に関しては、使わなくなった歯ブラシなどを活用して、綺麗にホコリを除去していきましょう。
室外機のフィンに溜まった汚れは掃除機で吸い取る
室外機の裏側や横側に付いているフィンは、エアコンの効率を良くするためにも定期的に汚れを除去する必要があります。掃除方法としては、掃除機で大きなホコリなどを吸い取り、使わなくなった歯ブラシなどで細かい汚れを除去していきましょう。
フィンの素材はアルミで構成されていることが多いので、耐久性が弱いためできるだけ力を加えずに掃除してください。
室外機のドレンホースは割り箸でゴミを除去
エアコン内部に溜まった水分を排出するためのドレンホースには、ゴミやクモの巣が詰まってしまうことがあります。ドレンホースにゴミが溜まりすぎると、うまく水が排出できず故障の原因になることもあるので注意しましょう。
ドレンホースの掃除方法としては、割り箸や使わなくなった歯ブラシを使って中のゴミやクモの巣を除去していきます。
奥の方にゴミが溜まっている場合には、ドレンホース用のポンプなどが販売されているので、そちらを利用して除去していきましょう。
掃除が完了した後には、水が流れやすいようにドレンホースは下向きにしておいてください。
室外機周辺にはゴミがないようにしておく
室外機自体にゴミが付着していなくても、室外機の周囲にゴミが溜まっていると室外機の熱排気を邪魔してしまう可能性があります。そのため室外機の一定スペースには、何もない状態を維持しておくようにしましょう。
室外機は屋外に設置されているので、思いがけないゴミなどが周囲に溜まっている可能性があります。落ち葉などが飛んでくることもあるので、気付いたらゴミは除去するようにしましょう。
災害などの影響でエアコンの室外機が水に浸かった場合
大雨や台風などの影響で、エアコンの室外機が水に浸かってしまう事態に発展する恐れがあります。室外機が浸水してしまった時、どのように対応すれば良いのでしょうか。
室外機が水に浸かってしまった時の対応方法を紹介していくので、参考にしてみてください。
まずはエアコンの稼働を停止する
大雨などの影響で室外機が濡れていると感じた時には、速やかにエアコンの稼働を停止させましょう。電気が通っていると故障の原因になるので、注意が必要です。
室外機が浸水しているのに稼働を止めていなかったら、ブレーカーが落ちてしまい、漏電などのリスクが高まります。
一度浸水してしまったら漏電のリスクが高くなるので、浸水しなくなってもすぐにエアコンを使用せずに、ブレーカーは一度落としておくことが肝心です。
専門業者に状態を確認してもらう
室外機が水に浸かってしまった場合、見た目に不具合が生じているのか判断することはできません。内部で何らかの故障が発生している可能性もあるので、稼働させる前に専門業者に状態を確認してもらうようにしましょう。
チェックせずに稼働させてしまうと、漏電のリスクが高まるのでエアコンの故障に繋がります。
専門業者が点検してくれるまで、電源を落として何も稼働させないようにしておきましょう。
室外機の浸水は保険対象なのか確認
保険に加入していた場合、エアコンの室外機が浸水した時の故障は補償してもらえる可能性があります。保険によっては、浸水した時の状況を確認したいと言ってくる可能性もあるので、被害にあった時の状態を写真に収めておきましょう。
どれくらい浸水したのか、保険によっては範囲が違うことがあるので、写真でしっかり確認できるようにしておいてください。
雪が降る地域では室外機の雪対策も重要
室外機は外気が寒くなってくると、霜取り運転を行うことがあります。霜取り運転を行う時には室外機が一時的に停止することがあるでしょう。
また雪が室外機に積もってしまう地域では、エアコンの効率が下がってしまう傾向にあるので雪対策を行う必要があります。
特に雪が積もってしまい、吹き出し口やフィンを塞いでしまうと熱の排気などがうまくいかなくなる恐れがあるでしょう。
室外機の雪対策としては、防雪フードやネットを使用してフィンなどに雪が積もらないようにしてください。
雪の影響でエアコンが故障する可能性もあるので、早めの対策が肝心です。
エアコンの室外機を設置する場所の最低限必要な条件とは?
エアコンの室外機を設置する場合、効率よく稼働させるために設置場所はよく検討しておく必要があります。エアコンの室外機を設置する場所は、どのようなところが良いのか最低限必要な条件について解説していきましょう。
室外機が水平な状態で保てる場所
エアコンの室外機にはファンが搭載されており、回転することで空気の循環を正常に行ってくれます。回転する時に振動が大きいと、室内まで振動が伝わり、不便に感じることがあるのです。
そのためできるだけ振動が屋内に伝わらないよう、室外機を設置する場所は水平の状態が保てる場所に置くのが良いでしょう。
室外機を置く時は日光や雨にさらされることがない場所を選ぶ
室外機に日光が当たってしまうと、機器の温度が上昇してしまい、エアコンの効率が悪くなります。電気代が高くつくだけでなく、エアコンが故障する原因になる恐れがあるでしょう。
そのためエアコンの室外機を置く場所は、直射日光が当たらない場所に設置する必要があります。
また室外機はある程度の耐水性はあるものの、長時間の間、雨に当たってしまうと故障してしまう恐れがあるでしょう。雨が当たらない場所に室外機を設置することも大切です。
室外機の設置場所は室内機と離れすぎないように
室外機と室内機は配管で繋がっており、冷媒ガスが循環しています。この配管の距離が長すぎると、冷たい空気が配管を通っている間に温かくなってしまうことがあり、エアコンの効率が悪くなる恐れがあるでしょう。
そのため室外機と室内機の距離はできるだけ離れすぎないような位置に設置することが重要です。
エアコンの室外機を設置する時に考えられる設置パターン
エアコンの室外機は、ベランダなど設置状況によって設置パターンがいくつか設けられています。設置パターンによっては、掃除のしやすさなどが異なるので事前に把握しておきましょう。
室外機の設置パターンはどのようなものがあるのか、詳しい内容を紹介していきましょう。
一般的な設置パターン「直置き」
エアコンの室外機で多い設置パターンが、「直置き」です。ベランダに設置する時に多い設置パターンで、掃除もしやすいのが特徴になります。
室内機との距離を近くできるので、効率も良く電気代もそれほどかからなくなるでしょう。室外機と室内機を繋げるための配管穴が設けられるケースが多いです。
2階以上の室内機と繋げる設置パターン「立ちおろし」
室外機は1階に設置し、配管を延ばして2階以上の室内機と繋げる設置パターンが「立ちおろし」です。立ちおろしは、ベランダがないケースなどに採用されることが多いのが特徴になります。
配管が長くなるので、設置費用は少し高くなるケースが多いでしょう。また配管が長いと、エアコンの効率も下がる可能性があります。
1階の屋根に設置する「屋根置き」
2階の室内機と繋げるために、1階の屋根に室外機を設置するパターンが「屋根置き」です。屋根置きは室外機を水平に保つために、専用の架台を使用します。
そのため余計に費用がかかってしまうケースがあるので、事前にどれくらいの費用がかかるのか業者に見積もりを出してもらっておきましょう。
また屋根置きは、日光や雨にさらされるケースが多いので、エアコン効率が悪くなったり故障したりする可能性が高くなります。
ベランダの天井から室外機を吊るす「天吊り」
ベランダが狭いなどの理由から、ベランダの天井から室外機を吊るす「天吊り」と呼ばれる設置パターンが採用されるケースがあります。天吊りは集合住宅などで活用される設置パターンです。
直射日光や雨が当たる可能性が高いので、効率が悪くなる可能性があります。
住宅の外壁に設置する「壁掛け」
ベランダがない状況で、住宅の外壁に室外機を設置するパターンとして「壁掛け」が採用されるケースがあります。壁掛けは専用架台を使用するので、費用が余計にかかる可能性があるでしょう。
どれくらいの費用がかかるのか、業者に依頼する前に見積もりを取得するようにしてください。
また設置箇所によっては、足場を設ける必要があるので、その分の費用もかかるので注意しましょう。
室外機を二段重ねて設置する「二段置き」
設置するスペースを少なくするため、室外機を二段重ねて設置する「二段置き」があります。設置スペースが1台分に抑えられるので、省スペースで室外機を設置することが可能です。
ベランダなどでスペースが十分にあったとしても、二段置きが採用されるケースがあります。少しでもベランダを広く使いたいという方は、二段置きという選択肢も良いでしょう。
エアコンの室外機の調子が悪い時は買い替えも検討しよう
エアコンの室外機にゴミが溜まってしまい、掃除で除去しても効率が上がらないという時はエアコンの寿命が訪れている可能性があります。また室外機が水に浸かってしまった時にも、故障してしまい動かない時などがあるでしょう。
そんな時は、エアコンを買い替えることを検討してください。効率が悪い状態で稼働を続けると、電気代が余計にかかるので、買い替えた方が長期的に見て安く済ませられることもあります。
また古いエアコンよりも、最新のモデルの方が効率はよく、稼働させた時の電気代も安く済ませられるのが特徴です。
状況に応じて、エアコンを買い替えて快適な生活が送れるようにしていきましょう。
エアコンの室外機はこまめに清掃して効率を下げないようにしよう(まとめ)
エアコンの室外機は、室内の空気を排出して室内を適温に保つために重要な役割を担っています。もし効率が悪くなったと感じた時には、室外機の周囲をチェックして、ゴミが溜まっていないかなどチェックしておきましょう。
清掃方法については、室外機の場所によって異なるので、今回紹介した掃除のやり方を参考にして実践してみてください。
設置パターンによって、室外機の掃除のしやすさなどが異なるので、事前に設置パターンについても理解しておきましょう。
室外機をこまめに掃除しても、エアコンの効率が上がらない時はエアコンの寿命が訪れている可能性があります。買い替えも視野に入れて、業者から見積もりなどを取得してみてください。